第48回 BMSコンファレンス

#レポート2022.11.04

月日:10月24日(月)~26日(水)

会場:ダイワロイヤルホテルTHE KASHIHARA

BMS


BMS


BMS




 

 第48回BMSコンファレンスに参加して参りました。今回の開催は奈良県橿原市にて、「食と健康・医療 ~古都奈良で,食でM(ま)S(す)/M(ま)S(す)健康に!!~」をメインテーマとして、2泊3日の日程で研究発表やディスカッションなどが行われました。現地には約100名、オンラインでの参加が30名程度であり、宿泊の手配や食事なども感染症対策を行われたうえでの開催でした。
 新型コロナウイルスの蔓延の影響により、ここ2年間はオンラインでの開催でしたので、会場に集まっての会合は3年ぶりということで、会場では対面での講演や討論を喜ぶ声が多く聞こえました。

 今回の学会には弊社も協賛しておりまして、ご参加の方にノベルティとして弊社ロゴマーク入りのノートを配布させて頂きました。ノートは講演中のメモに使われている方も多く、休憩時間などにお話しする際にノートで弊社の社名を覚えていて下さる方もいらっしゃるなど、ご参加されたお客様との交流のきっかけにもなりました。


 私にとっては当学会への参加が初めてでしたが、冒頭にイオン化法や質量分離の手法、定量分析についてなど、質量分析装置を用いた分析を行う上で基礎となる知識の講演から始まり、また講演の他のプログラムでは質量分析に関する悩み事を共有したり、交流を行える工夫がされていたりと、各研究の交流と討論だけでなく、界隈全体を盛り上げていこうという動きが活発であると感じました。

 熊本大学の永芳教授による講演「LC/MSによる修飾ヌクレオシド測定で行うCOVID-19診断・重症化判定技術の開発」では、検体そのものに感染リスクのある従来の分析から、患者の尿を使用した重症化判定まで可能なLC/MSを用いたCOVID-19の分析手法の開発についての発表がありました。この手法は、tRNAの修飾酵素から分解され排出される特定の修飾ヌクレオシド(t6A、ms2t6A)が、COVID-19のバイオマーカーになりえることに着目した、PCR法とは全く異なる原理でのより優れた分析方法です。PCR法は、偽陽性が発生する、重症化の度合いが判別できないといったこともある検査方法ですが、修飾ヌクレオシド測定では、その排出量に伴い重症化の度合いを判別することもでき、より正確な診断が可能 になります。

 京都大学の石橋教授による講演「メタボロームから植物の魅力を解明することを目指して」では、PESI/MS/MSを用いた園芸植物の分析についての発表がありました。PESI/MS/MSの植物への応用は初めての試みで、前処理工程の圧倒的な省力化から作物のハイスループット分析が可能となっています。会場からは再現性に関する質問などがあり、活発な議論がされていましたので、植物の新たな分析手法として注目すべき取り組みだと感じました。
 また、イチゴの花芽分化の確認など、従来は手作業で苗を破壊しスポットで行うしかなかった調査も、イチゴの花芽分化における特異的なバイオマーカーを葉から検出することができるようになったため、当分析方法を導入できればハイスループットかつより正確な花芽分化の検定が可能になります。効率的な調査や状況把握が行えることから、これまでよりも効率的な農作が可能になるということで、非常に興味深い研究内容でした。


 今回の学会ではメタボロミクス分析に関する発表が多かったですが、分析方法自体の研究や他分野への応用など発展的な発表もあり、私にとって非常に勉強になりました。AIによる学習など、ソフトの面でもアプリケーションが充実してきていますので、同じ分野のお客様には、今回の学会で得られた情報を展開させて頂きたいと思います。
 次回は大分県別府市での開催予定ですが、来年もぜひ参加しお客様やメーカーの方々と交流し勉強させて頂きたいです。

大阪営業所 営業  C.A.

医薬、食品、環境、材料、バイオなど、様々な分野で使用される分析機器・理化学機器および各種消耗品のことなら中部科学機器へ

お電話でのお問い合わせ
メールでのお問い合わせ
Page Top