日本法中毒学会第36年会

#レポート2017.08.08

月日:2017年7月6日(木)~7日(金)
会場:きゅりあん(品川区立総合区民会館)

 2017年7月6日(木)から7日(金)にかけて、品川区立総合区民会館「きゅりあん」にて「日本法中毒学会 第36年会」が開催され、弊社取扱い製品の展示を行いました。
一昨年と昨年に引き続き、UCT(United Chemical Technologies)社製品、Kura Biotec社製品をメインに、バイアル瓶等クロマト関連消耗品と、今年もザルトリウス社にご協力いただきまして製品出展いたしました。

学会発表内容は、「危険ドラッグ、合成カンナビノイド」をキーワードとした発表が半数以上で、世間の注目度は一時期より低くなったものの、一番の課題であることを感じました。他には毛髪や血液の直接分析、スクリーニングメソッドという、操作の簡便化と網羅的手法に着目した発表が多くみられました。なかでもQuEChERS法を使用したポスター発表もあり、弊社展示ブースにお立ち寄りいただいたお客様もQuEChERS法にご興味を持つ方がこれまでよりも多数いらっしゃいました。

QuEChERS法とは、主に食品中の残留農薬分析等に用いられる前処理法で、簡単で使いやすい分散型固相抽出法です。「Quick(迅速)、Easy(簡単)、Cheap(安価)、Effective(効率的)Rugged(頑健)、and Safe(安全)」という特徴を持ち、それらの頭文字をとってQuEChERS法と名付けられています。具体的な手法としては、サンプルをホモジナイズ後、アセトニトリルなどの水混和性溶媒と塩やバッファーを用い、振とう、遠心分離で抽出後、その抽出液を固相抽出に用いられている充填剤と再度遠心チューブ内で直接混合させ、撹拌、遠心分離を行い、その上澄みを直接分析します。作業効率の大幅に向上させ、溶媒使用量を少量で抑えることが可能です。

弊社展示のUCT社はこのQuEChERS製品の開発メーカーでもあります。独自の開発製品「SpinFiltr」は0.2μmのフィルターで2重構造にしたチューブを使用することにより、遠心分離した後にフィルターより上部を取り外すだけでサンプルから充填剤を除去することが可能です。これにより、従来法の上澄み採取の手間を減らし、またサンプルのロスも低減することで回収率を向上させます。
また、その充填剤にも独自の製品「ChloroFiltr」をラインナップしております。本製品は色素の除去に有効な独自の充填剤です。従来のQuEChERS法では色素除去にはGCB(Graphitized Carbon Black)が使用されています。しかし、GCBは色素除去に非常に有効ですが、固定相としての保持力が強く色素以外の分析対象も保持しまうことで分析対象の回収率を低下させてしまいます。「ChloroFiltr」は回収率を犠牲にすることなく、色素を除去できる充填剤としてUCTが開発した製品です。
両製品とも、今回の展示でも一番多くのお客様から興味をいただきました。
その他にも今回新しく、UCT社製尿サンプル用加水分解酵素βグルクロニターゼ「Abalonase+」の展示も行いました。本製品はグルクロニターゼ活性とスルファターゼ活性の両方を持ち、最適温度を高温に設定できることにより、短時間での加水分解を可能にしたβグルクロニターゼです。

一緒に展示しましたザルトリウス社は、日本国内では天秤メーカーとして非常に有名です。他にもピペット、純水・超純水製造装置、フィルター製品、微生物測定装置なども取り扱っており、天秤とピペットの校正サービスも行っております。今回特に注目を集めた製品はピペットで、長時間使用しても負担にならないような軽量な仕様と、粘性の高いサンプルのチップへの残留を低減させる「ローリテーションチップ」は、生体サンプルを取り扱うことの多い本学会のお客様から多くご興味をいただきました。

今回はポスター発表会場内のポスターの前に展示をさせていただいたこともあり、非常に多くのお客様と交流を持つことができました。また、まだまだ数は少ないですが、今回をきっかけに弊社展示製品をご採用いただけるお客様を増やすこともできました。多くのお客様にご紹介するにはまだまだ時間はかかりますが、今後もこのような学会に積極的に参加し、お客様のニーズにあった新しい製品をご紹介していきたいと思います。

担当:東京営業所 H.Y.

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