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2019 JBF(ジャパン バイオアナリシス フォーラム)

2019/03/27

月日: 2019年2月12日(火)~2月14日(木)
会場: パシフィコ横浜

 






 

 2月12日から14日までの3日間、パシフィコ横浜において第10回ジャパン バイオアナリシス フォーラムが開催されました。私は、今回が初めての参加となりました。今までは、まだまだ発展途上の小さな学会であったと聞いておりましたが、今回はパシフィコ横浜での開催となり、日本におけるバイオアナリシスが大きくなっているのを感じることができた学会でした。

 今回の学会には、製薬メーカー、コンタクトラボの方が数多く参加されており、今後の日本における動向を知る良い機会となりました。
 今回参加させていただいた中で、私は以下の二点に大きく注目しました。まず一つ目は、高分解能質量分析装置を利用した定量分析です。新薬開発においては、新薬候補として合成された数多くの化合物をタイムリーに評価することで、合成展開や研究開発の意思決定に貢献することが重要であるとよく言われていますが、その中の濃度測定においては、長きにわたってトリプル四重極の質量分析装置がその中心を担ってきました。ただし、化合物ごとの測定条件の検討や一部の化合物測定には不向きであるなどの課題もあり、未変化体や代謝物を問わずに分析することが可能な高分解能質量分析装置が注目されていました。しかし、定量感度、ダイナミックレンジなどの課題があり、今まで多くは使用されていませんでした。
 今回の発表では、サーモフィツシャーサイエンティフィック社製のQExactiveシリーズなど、近年の機器の性能向上が素晴らしいようで、ADMEスクリーニングや代謝安定試験においてトリプル四重極装置と比較して感度やダイナミックレンジで十分に測定が可能だという発表がありました。いささかトリプル四重極測定においては発展が見えてこないと感じていましたので、高分解能質量分析装置における定量測定が増えてくると感じる発表でした。
 二つ目はサンプルやデータ管理についてです。現在の日本においては、測定データの完全性を確保するため、GLP省令では、データの収集、解析及び保存に使用する機器について、適切に維持し、校正することが求められており、測定機器の管理では、機能レベルに応じたQualification/Software validationが求められるようになっています。また、機器により処理されるデータの信頼性を保証するために、そのライフサイクルを通じたQualification/Validationの調査手順を作成し、調査を実施することがGLPより求められています。
よって、Qualification/Validationされた機器を用いることで、データの信頼性が高まる一方で、機器が検証されていることを過信し、運用面の対応に綻びが生じ、試験操作や運用管理の記録、報告書作成の過程に問題が生じる場合がみられます。そこからQualification/Validationをしっかりと管理するためにLIMS (Laboratory Information Management System)のような、分析室の情報管理、分析データ・メソッド管理、報告書作成をサポートするようなソフトウェアが、製薬メーカー、コンタクトラボを中心に広がりつつあります。これは、今後において機器を購入していく上でも、機器がどのように対応しているのか どのように対応していくのかなど、購入の選定をしていくことで重要になっていくように感じています。私たちは質量分析装置を多く販売していますが、今回の発表によりLIMSの重要性をより多く感じることが認識できましたので、今後は今までは少なかったLIMSソフトウェアの販売を強化していくことが弊社にとって重要だと思いました。

 今回の学会を通じて、私自身非常に勉強になることが多く、弊社のお客様に最先端の情報を広めることのできるフォーラムだと感じました。これからも毎年参加し、この業界の最新情報を見聞きしたことを、中部科学機器としてお客様にご紹介し続けていきたいと思います。  

 

担当 市川滋宏 東京営業所